機械では到底真似ができない、手仕事ならではの筆文字
人が創り出す最高の筆文字、オリジナルな筆文字
想いが込められる手仕事の筆文字は機械大量生産では作り出せない

手書き筆文字と筆文字風印刷の比較

手書き筆文字を見ると、 文字に対する想い入れが伝わります

筆文字と筆文字風印刷の始筆の違い

筆文字風印刷○箇所1.2.3同じ角度、太さ、入筆時の強さ
手書き筆文字○箇所1.2.3角度、太さ、入筆時の強さの違い

筆文字と筆文字風印刷の縦線の違い

筆文字風印刷○箇所1.2.3長さ違いはありますかどれも同じ
手書き筆文字○箇所1.2.3それぞれ縦画の違いがあります

印刷筆文字にも利点はあるのですが昔ながらの手間のかかる手書き筆文字の入始筆の違い
文字の表情と共に一つ一つの始筆にも形があり組み合わされ一つの文字になります
文字の大きさや前後の文字等によって微妙な変化をしながら筆運びをします

筆文字と筆文字風印刷の始筆の違い
1は1画目を担い強めに存在感がある程度欲しいです
2はこれから伸びてゆく縦画を意識しての始筆
3は2に対しての変化と横画に到達するまでの長さへの貢献

筆文字と筆文字風印刷の縦線の違い
1は1画目のつながりを意識した始筆と長さ
2は文字中心を通る縦画を上中下の変化
3はこれから横に足されてゆく縦横画を意識

人が書く文字は毎回必ず同じではありません機械のように寸分違わずの整然さは求められません
しかし人が書く筆文字には機械にはない技術があり入筆始筆運筆終筆に意識して繰り返してゆくと
一つの文字ができその一つ一つの筆文字が並び連携されたものが出来るのです

筆文字大小書き方の違い

大きい文字

ある程度の大きさがあると筆の運びの余裕
が生まれ、文字の表情に貢献ができる

大きくなることで筆を運ぶ際の抵抗、
線質へ良い影響を与える

よい抵抗のものは味わい深く小さい文字には無い良さを感じる

小さい文字

大きい文字と比べて始筆の表現乏しいいが
同じ素性を感じられ大きい文字同様の思いがこもり、少ない動きの中でこその表現に小さな文字の醍醐味がある

小さい文字であっても粗末にならず大きい文字に負けない存在である

筆文字の大小の違いの大きな点の一つとしてディティール始筆の筆の違いがあります

小さい文字は大きい文字の縮小版でありながら始筆時のアクションは大きい文字と同様な書き方ではありません

筆文字は細部のディティールで文字の表情が違ってくるものですが、小さい筆文字には小さいがためそれを表現することに限界があります

しかしながら、小さい文字にもその思いを落とし込むことが必要なため、よりコンパクトに筆を動かす作業が求められます

それは一見省かれているように思われますが、その小さな文字の中には大きい文字のイメージが凝縮されており、字ずら自体を変えずに表現することができます

筆を運ぶ腕から握る手指、筆の切っ先にまで通う神経を凝縮し、大きい文字のイメージはそのままに小さな文字へ変換させる

脳内イメージは大きい文字と同様に共通なのです

大きい文字=小さい文字(イメージ)
大きい文字 ≠ 小さい文字(書き方、表現力)

小さな文字は大きい文字の廉価版であってはなりません

筆文字の必要性

  • 筆文字
    左 手書き 右 印刷

  • 釦ホール
    左 手縫い 右 ミシン

ハンドメイドとマシンメイド比較

私が筆文字の比較対象の一つとしてスーツのボタンホールがあります
左画像が毛筆手書き右画像はスーツのボタンホール
手縫いのボタンホールは機械には出せない職人技とされ高い技術を必要とします
同じく筆文字も機械にはだせないこだわりを反映させた存在感と希少価値があります
機械が進歩しても人間による味わい風格にはかないません
機械ではない人の手が生み出す品格ある筆文字
ボタンホールとおなじように「筆文字にそんなにこだわらなくても」と思われがちです
今の時代全部が手書き筆文字に変えることはできませんがしかし
筆文字には思いを伝える力があり「たかが筆文字、されど筆文字」時代を超えた価値があります
筆文字家として日々様々な節目に使われることに必要とされ存在意義を感じられる筆文字を生み出していきたいと考えています

筆文字には欠かせない筆

「弘法筆を選ばず」の言葉、一般的には「名人は道具の良し悪しにとやかく言わず見事に使いこなすということ」
という意味で用いられます

空海は書道具を相当に拘り研究したといわれており、本来の意味は空海のように優れた文字を書ける人であれば、安価な筆はもちろん
手間を惜しまず作った高価で最高な筆もその真価を発揮して使いこなすことができるということです

達人空海に及ばない私も含めての多くの筆を持つ者が粗野で出来の悪い筆でどうしてよい筆文字が書けるのでしょうか?

職人の言う良い物を創り出すにはよい道具と同じように筆文字も良い字を書くには良い筆が必要で書家の命とも言える書道具
とりわけ筆に拘りをもつ書家が多くいます

そして筆を持つものは自分のスタイルにあった筆を選び自分自身の筆文字を創り出すことが出来るのです
嘉豊でも最善の筆文字を目指し筆書きに携わってきた経験により今現在最良の筆選びをしています

同種同号筆新旧比較


使い始めは車でいう慣らし運転がありその後筆本来の力が発揮され長い間の使い込まれることにより命毛という産毛が無くなって筆の寿命を迎える

小筆は大筆と違い消耗品の部類に入る

筆が擦り切れるまでとは命毛がなくなるの意味

唐筆小筆には写巻や写巻小楷等の良い筆もあり愛用されている方も多いと思うが嘉豊では日本の小筆を多用する